突然、珍しくゲームがしたくなった。
最近はあまりゲームに時間を割いていなかったのに、なぜかその日は無性に何かを起動したくなった。
遊びたいのは TES V: Skyrim Special Edition。
理由は単純で、セラーナさんに会いたくなったからである。
大層な理由はない。
新しいMODを試したいわけでもないし、ストーリーを進めたいわけでもない。
ただ、あの寒そうな世界を少し歩いて、久しぶりにあの声を聞きたくなった。それだけだ。
久しぶりにSkyrimを起動する。
ほんの軽い気持ちだった。
セーブデータがあって、
MODが読み込まれて、
そのままいつもの場所に降り立つ。
その程度の想定だった。
まさかこのあと、
MOD環境の崩壊、
バージョンの巻き戻し、
そして延々と続く検証作業に叩き込まれるとは、
この時はまだ、何も知らなかった。
※本記事のSkyrimは
**Legendary Editionではなく、Special Edition(SE)**の話です。
MODやバージョンに関する話はすべてSE前提になります。
パソコン故障でMOD環境、完全に崩壊していた
Skyrimを起動しようとして、まず気づいた。
何かがおかしい。
セーブデータはある。
起動もする。
でも、いつものSkyrimじゃない。
MODが読み込まれていない。
いや、正確に言うと、読み込まれているはずのMODが存在しない。
そういえば、少し前にパソコンが壊れた。
修理だの入れ替えだのをしている間に、
SkyrimのMOD環境はきれいさっぱり消えていたらしい。
バックアップ?
そんなものはない。
セーブデータだけが生き残り、
MODだけが全滅しているという、
一番面倒な状態だった。
Skyrimは、
セーブデータよりMOD環境のほうが大事なゲームである。
この時点で、もう嫌な予感しかしなかった。
とはいえ、やるしかない。
Vortexを起動し、
一からMOD環境を再構築することを決意する。
久しぶりだが、
まあ、昔やっていたことだ。
必要なMODを思い出しながら入れていけば、
そのうち何とかなるだろう。
この時点では、
まだそう思っていた。
何かがおかしい。どう考えてもおかしい
MODを入れ始めて、すぐに気づいた。
どうにも挙動がおかしい。
起動はする。
クラッシュもしない。
だが、MODが効いている気配がない。
見た目が変わらない。
設定が反映されない。
「これはさすがに入れ忘れだろ」と思って確認すると、
Vortex上ではきちんと有効化されている。
おかしい。
別のMODを入れてみる。
結果は同じ。
起動はするが、何も変わらない。
競合か?
ロード順か?
久しぶりとはいえ、そこまで基本を忘れた覚えはない。
試しに、
最低限のMODだけに絞って起動してみる。
それでも挙動は変わらない。
この時点で、ようやく気づき始める。
「これ、MODの問題じゃないな」
MODをどう入れ替えても結果が変わらない。
ということは、
問題はSkyrim本体側にある可能性が高い。
再インストールしていないSkyrim。
過去のアップデートの残骸。
壊れた環境の上に、さらにMODを積み上げている状態。
つまり今のSkyrimは、
見た目は起動するが、中身が壊れている。
ここでようやく決断する。
Skyrimを、一度きれいに消そう。
Skyrim本体を消すという決断
原因がSkyrim本体側にある可能性が高い。
そう分かった時点で、やることは一つだった。
Skyrimを、消す。
アンインストールして、
再インストールして、
環境を一度まっさらにする。
MODを積み上げる前に、
まず土台を作り直す必要がある。
Skyrimは、
途中から直そうとすると逆に泥沼にハマるゲームだ。
それなら最初からやり直したほうが早い。
そう判断して、
何も考えずにSteamから再インストールした。
そして気づく。
インストール直後のSkyrimは、
Ver.1.6.1170。
はい、知ってた。
このバージョンのままでは、
MOD環境としてはほぼ使い物にならない。
SKSEの対応、
Address Libraryの問題、
そしてSkyUIをはじめとした前提MOD群。
どれも、このままでは噛み合わない。
つまりここから先は、
Skyrimを遊ぶ準備ではない。
Skyrimを遊ぶための作業である。
ダウングレード×2回という謎作業
まずやるのは、
Steamコンソールを使ったダウングレード。
1.6.1170 → 1.6.1130
いきなり1.5.97には落とせない。
なぜかは知らないが、そういうものらしい。
Skyrimとは、そういうゲームだ。
次に、
Nexus Modsにある
Skyrim Downgrade Patcher を使う。
1.6.1130 → 1.5.97
ここまで落として、
ようやく見覚えのある世界に戻ってくる。
なお、
この作業の詳しいやり方については
ググってくれ。
ここでは「そういう儀式がある」という話だけ分かればいい。
大事なのは、
Skyrimを再インストールしただけでは、
まだ何も始まっていないということだ。
前提MOD地獄
Skyrim本体を1.5.97まで落とした。
これでようやく、MOD環境の土台が整った。
……わけではない。
ここから始まるのが、
前提MOD地獄である。
まずは SKSE。
これがないと始まらない。
次に Address Library。
これがないと、SKSE系MODが動かない。
さらに各種フレームワーク。
UI系、挙動変更系、システム拡張系。
どれも「これがないと動きません」と書いてある。
そして厄介なのが、
前提MODのための前提MODが存在することだ。
Aを入れるためにBが必要で、
Bを入れるためにCが必要で、
Cの説明文には
「最新版では動きません」と書いてある。
気づけば、
「自分が何を入れようとしていたのか」
分からなくなってくる。
Vortexの画面には、
ずらっと並ぶMOD一覧。
緑、黄色、たまに赤。
一つ解決すると、
別の警告が出る。
Skyrimは、
問題を解決すると次の問題を出してくるゲームだ。
それでも、一つずつ潰していく。
警告を読み、
バージョンを確認し、
「これで合ってるはず」と自分に言い聞かせる。
そして、
最低限の前提MODが揃ったところで、
ようやく思う。
「……これ、やっとスタートラインだな」
ようやくスタートラインに立つ
前提MODを一通り入れ終えた。
Vortexの警告も、ひとまずは落ち着いている。
ここまで来て、ようやく
「Skyrimを起動しても大丈夫そうだな」
という気持ちになる。
必要なMODを、
思い出せる範囲で一通り入れる。
UI、操作系、ちょっとした快適化。
派手なものはまだ入れない。
慎重に、慎重にだ。
Skyrimを起動する。
ロードが始まる。
クラッシュしない。
メニュー画面が表示される。
SkyUIも、ちゃんと動いている。
――いける。
セーブデータを読み込む。
画面が暗転して、
いつもの場所に降り立つ。
問題ない。
少なくとも、今のところは。
ここで思わず叫ぶ。
終わった!
セラーナさぁん!会いに行くぞぉ!
完全にバカである。
だがこの瞬間だけは、
本気でそう思っていた。
長かった。
本当に長かった。
Skyrimは、
ちゃんと動くようになった。
MODも読み込まれている。
もう大丈夫だ。
――と、この時は信じていた。
※ここまでは必要作業です
ここまでで、
Skyrimは起動するようになった。
MODも読み込まれている。
一見すると、もう問題はなさそうに見える。
だが、はっきり言っておく。
ここまでは、必要作業である。
SkyrimをMOD込みで遊ぶというのは、
「とりあえず起動する」ことではない。
**「問題なく動くことを確認する」**ことだ。
つまり、
ここからが本番。
起動した。
クラッシュしなかった。
それだけでは、何の保証にもならない。
メニューが正常か。
UIは崩れていないか。
操作に違和感はないか。
この時点では、
まだ何も確定していない。
Skyrimは、
後から問題が出るゲームである。
MOD動作検証という名の無限ループ
ここから始まるのは、
Skyrimを「遊ぶ」工程ではない。
Skyrimを“検証する”工程である。
まず、MODを一つ入れる。
起動する。
問題なさそうに見える。
少し歩く。
メニューを開く。
設定をいじる。
……大丈夫そうだ。
次のMODを入れる。
起動する。
今度も問題なさそうに見える。
しかし、しばらくすると気づく。
UIの表示が微妙にズレている。
動作が少し重い。
説明文が英語のままだ。
「まあ、許容範囲か」
そうやって次へ進む。
さらにMODを入れる。
起動する。
今度は、何かがおかしい。
クラッシュはしない。
だが、確実に変だ。
原因を探る。
さっき入れたMODを外す。
起動する。
直る。
じゃあ、そのMODは外す。
代替MODを探す。
入れる。
起動する。
――また別の問題が出る。
この繰り返しだ。
気づけば、
Skyrimの世界にいる時間より、
Vortexを眺めている時間のほうが長い。
Skyrimを遊んでいるはずなのに、
Skyrimを遊んでいない。
一つMODを入れるたびに、
「この環境は本当に大丈夫なのか?」
という疑念が積み上がっていく。
そして、
時計を見る。
もう夜だ。
今日は、
ドラウグルとも戦っていないし、
クエストも一つも進んでいない。
やったことといえば、
MODの入れ替えと起動確認だけ。
それでも、
なぜかやめられない。
Skyrimとは、
そういうゲームである。
今からSkyrimを始める人へ(個人的結論)
ここまで一通り地獄を見て、
いくつかハッキリしたことがある。
まず結論から言う。
今からSkyrimをやるなら、Special Edition(SE)一択。
そして、バージョンは1.5.97がベストだと思っている。
理由はシンプルだ。
-
対応MODが圧倒的に多い
-
情報が出揃っている
-
動作が安定している
MODを入れて遊ぶ前提なら、
この条件が揃っているかどうかがすべてだ。
AE(Anniversary Edition)についても触れておく。
AEで遊びたいなら、
最初からAEを買えばいい。
それ自体を否定するつもりはない。
Creation Club込みで、
素のSkyrimを楽しむなら、それも一つの選択だ。
ただし――
SEを後からアップグレードしてAEにするのは、やめておけ。
一度アップグレードすると、
バージョンの巻き戻しがほぼできなくなる。
そして始まるのが、
-
MODが動かない
-
対応バージョンが合わない
-
ダウングレード地獄
という、この記事で散々書いてきた流れである。
AEをおすすめできない最大の理由は、
SkyUIがまともに動かないことだ。
SkyUIは便利MODではない。
MOD環境の前提である。
インベントリ、設定画面、MCM。
これがないSkyrimは、
MODを使うゲームとして成立しない。
それが不安定、あるいは動かない。
この時点で、AEはかなり厳しい。
だから結局、
SEの1.5.97に戻ってくる。
SkyrimはファンタジーRPGだが、
MOD環境は、極めて現実的だ。
まとめ:Skyrimは遊ぶ前が一番大変
久しぶりにSkyrimをやろうとすると、
一番コストがかかるのは「準備」だ。
MOD環境の再構築。
バージョンの巻き戻し。
無限に続く動作検証。
正直、地獄である。
それでも――
全部終わったあと、
あの世界に立った瞬間に思う。
「ああ、やっぱSkyrimだな」と。
だからまた戻ってきてしまう。
そして、同じ地獄を見る。
Skyrimとは、
そういうゲームなのだ。
……というわけで、
セラーナさんに会いに行くまでに、
想像以上に時間がかかってしまった。
だが後悔はしていない。
たぶん。