narita-lab’s blog

成田ラボ 〜テクノロジーと雑学の観察日記〜

MoonDrop 蘭-LANをエージング後レビュー|万能機としての真価をチェック

Moondrop LANを購入してから、早速エージングを行いました。

普段から使っている 全方位用のエージング音源を一晩ループ再生この方法はこれまでに Tripowin Ruta10 や final E3000 でも効果を実感してきたので、オカルトではなく確かな違いが出ると考えています。

初期レビューでは「価格以上の音質」と評価しましたが、エージング後にはさらに変化が見えてきたので、その様子をまとめます。

 

エージング後の変化 ― 細密インプレ

テスト条件(初期レビューから不変)

  • 端末:Xperia(DSEE Ultimateを有効)

  • アプリ:Poweramp(EQ=ロックプリアンプ+6.1

  • イヤーピース:radius ディープマウント ZONE HP-DME2

  • 音源:全方位エージング用トラックを一晩ループ→同一楽曲で再試聴

  • 音量は体感同一で比較(急なラウドネス差は無)


帯域ごとの変化

高域

  • 伸びが素直に改善

  • シンバルの余韻が自然に長くなり、刺さり感ゼロ

  • サ行が丸くなり耳に優しい

中域

  • ボーカルの芯が太く、前に出るように

  • ギターやボーカルの前後関係が明確

  • 音像がピタッと合焦して聴きやすい

低域

  • 沈み込みが深くなり、キックに重量感

  • 量感はしっかりあるがタイトさも維持

  • 密閉感が増し、迫力とバランスを両立

音場/定位

  • 横幅+奥行きが拡張

  • 楽器の分離感がさらに明瞭に

  • ライブやオーケストラの臨場感が増加

  • まるで頭の中心で音が奏でられているような、没入感のある定位

 

曲別メモ(Before → After)

  • 星街すいせい「もうどうなってもいいや」
    ボーカルの芯が太くなり、コーラスの層が1枚増えた感覚。**“どうなってもよくなかったじゃん”**の説得力が上がる。

  • 米津玄師「Plazma」
    広がりの見通し改善。サブベースのうねりが深く、“目の前に広がる”がちゃんと広がるようになった。

  • やしきたかじん「スターチルドレン」
    ブラスとストリングスの分離が良く、ボーカル前面・伴奏後方の舞台感が気持ちいい。プラモBGM適性さらに↑

  • YOASOBI「勇者」
    イントロのアタックが鋭く、サビでのレイヤーが団子にならない。勇者感、増し。

  • 鷺巣詩郎「EM20 = wunder operation =」
    弦と管の層が分離して、奥行きがよりクリアに。
    **“作戦会議の臨場感”**が一段とリアルに迫ってくる。
  • Hardfloor「Acperience7」

    サブベースの沈み込みがさらに深くなり、リズムが体を包み込む。
    **“クラブフロアで鳴っている錯覚”**に近づいた。

  • 「ババーンと推参!バーンブレイバーン」
    合いの手とコーラスの定位が明瞭。ババーン感が2割増しで楽しい。


エージングでの変化まとめ

  • 高域:刺さりは元から少ない → 余韻が自然に伸びて心地よい

  • 中域:ややフラット → ボーカルが太く前に出て芯が明確

  • 低域:タイトで量感は十分 → 沈み込みが増してキックに重量感

  • 音場:広いがやや平面的 → 横幅+奥行きが拡張し立体感アップ

  • 全体:「2万円クラス」と思える完成度 → コントラストがさらに上がりジャンル問わず聴きやすい


おすすめジャンル

エージング後のLANはジャンルを問わずそつなくこなす万能機ですが、特に相性が良いと感じたのは ジャズやクラシック(オーケストラ)
広がりのある音場と解像感が生楽器の分離やホール感を見事に表現してくれるため、音楽的な気持ちよさが一段と増します。

もちろんロックやポップス、アニソンも楽しめますが、“万能+ジャズ特化” と言える仕上がりです。


総評

エージングを経たMoondrop LANは、全体的に コントラストが一段階アップ しました。
初期状態から十分に優秀でしたが、今はさらに聴いていて耳が心地よく、ジャンルを問わず安心して楽しめるイヤホンに育ったと感じます。

初期レビューでの「2万円クラス」という印象は、今では確信に変わりました。

食費を犠牲にする価値はあったと思っています。
次は final E3000との比較レビュー を予定していますので、ぜひチェックしてください。