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成田ラボ 〜テクノロジーと雑学の観察日記〜

JVC HA-RZ710 実機レビュー|眼鏡ユーザー目線で装着感と音質を語る

JVCの開放型ヘッドホン「HA-RZ710」を、実際に使い込んでみました。発売からそれなりに年数が経っているモデルですが、今あえて使ってみると意外な特徴が見えてきました。特に私は眼鏡ユーザーなので、装着感も含めて率直にレビューしていきます。


基本スペックと特徴

HA-RZ710は、JVCが手掛ける開放型ヘッドホン。

  • 開放型/オーバーヘッドタイプ

  • 大口径50mmドライバー搭載

  • 周波数特性:8Hz~25kHz

  • インピーダンス:48Ω

  • 重量:約320g(ケーブル除く)

ケーブルは少しユニークで、本体に直付けされているのは約1.2mと短め。その代わり、約2.3mの延長コードが付属しており、合計すると3.5mほどになります。デスクで使うときは取り回しやすく、リビングやテレビ視聴では延長コードを繋げば余裕のある長さに。用途に応じて使い分けできる“二刀流仕様”です。


音質レビュー

エージング前 ― モヤがかかって長時間はつらい

開封直後に音を出したときは、正直「モヤがかかっている」ような印象でした。高音も低音もハッキリしないため、30分も聴いていると疲れてしまう感じで、長時間リスニングには向きません。

エージングの実施 ― 低音・中音を中心に20時間

この「モヤ」が気になったので、少し大きめの音量で 低音と中音域を中心に約20時間のエージング を行いました。結果として音のこもりは解消され、はっきりとした輪郭を感じられるように。

エージング後 ― クリアになり映像視聴向きに変化

ハイレゾ級とまではいかないものの、モヤが晴れてクリアな方向へ変化しました。音楽鑑賞を楽しむほどの解像度や分離感はないものの、映画・ドラマ・アニメ・YouTubeといった映像コンテンツを充分に楽しめる音域になったのは大きな改善点です。セリフが聴き取りやすく、BGMも自然に流れるので、日常使いには十分。


装着感

重量は軽めで装着そのものは悪くありません。ただ、側圧が少し強めに感じられました。特に私は眼鏡を常用しているので、こめかみ部分が押されて長時間使うと圧迫感が気になります。眼鏡ユーザーにとっては快適とまでは言えず、このあたりは人を選ぶポイントです。


開放型ならではのデメリット

実際に使ってみて感じたのは、音漏れが非常に大きいという点です。開放型ヘッドホンの構造上、音が外へ抜けるため、外での使用には全く向きません。特に公共交通機関では周囲に音が筒抜けになり、迷惑をかけやすいです。

そのため、HA-RZ710は あくまで自宅用 と割り切って使うのが正解。静かな部屋で映像や音楽を楽しむためのヘッドホンと言えるでしょう。


向いている用途

HA-RZ710は、音楽鑑賞をメインにするには物足りない部分が目立ちます。一方で、映画・ドラマ・アニメ・YouTubeなどの映像コンテンツ視聴にはピッタリ。音の広がりやセリフの聴きやすさが、開放型ならではの強みを発揮します。


まとめ

JVC HA-RZ710は、エージング前後で大きく印象が変わるヘッドホンです。最初はモヤっとしていて失敗したかと思いましたが、低音・中音を中心に20時間ほど鳴らし込むことで、映像向けの実用機としては十分な仕上がりに。

ただし開放型の特性上、音漏れが激しいため外出先では使用不可。自宅専用で楽しむモデルと割り切る必要があります。

最新機種と比べれば粗もありますが、手頃な価格帯で「開放型らしい音場」「二刀流ケーブルの便利さ」を味わえる点は面白いところ。特に映画やアニメ視聴用のサブヘッドホンとして、今でも選ぶ価値がある一台だと感じました。

 

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