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成田ラボ 〜テクノロジーと雑学の観察日記〜

Amazon Echo 第4世代 続編レビュー:音質・有線接続をチェック

1. 前回レビューのおさらいと今回のテーマ

前回は開封レビューとして、初めて手にしたときのワクワク感やデザインの印象、そしてファーストインプレッションを紹介しました。
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今回はその続き。実際に音楽を流してみて、「普段使いでどんな感じなのか」を中心にまとめてみました。
有線接続やハイレゾ音源も試してみたので、その辺りの使用感もあわせてお届けします。

 

2. 全体の音質印象:まとまりのあるバランスサウンド

実際に音楽を流してみると、最初に感じたのは「全体的にバランスが良く、まとまりがある」ということです。
低音はしっかりと鳴っているものの過剰に膨らまず、心地よく響く程度に抑えられています。ポップスやロックのリズムを支えるベースラインも自然に前に出てきて、聴いていて疲れない響き方でした。

高音域は耳に刺さるような強調感がなく、スッと伸びていく印象。
シンバルやストリングスといった高域の楽器も、角の取れた柔らかい質感で再生されます。
派手な演出こそないものの、長時間聴いても耳に負担を感じにくい“ナチュラルさ”が特徴だと感じました。

結果として「可もなく不可もない」という言い方もできますが、それは裏を返せば“クセがなく誰にでも馴染む音作り”ということ。
リビングに置いて日常的に使うスピーカーとしては、むしろ大きな強みになると感じました。

 

3. サンプル曲でチェックした使用感

ここからは、成田ラボで毎回使っている固定サンプル曲7選を流しながらチェックしてみました。Echo 第4世代の個性がよく見えてきます。

なお、今回のレビューは、以下の環境で試聴を行いました。

  • 接続方法:3.5mm有線接続

  • 再生端末:Xperia 1 III

  • 再生アプリ:Poweramp(EQはロックプリセット、プリアンプ+6.1dB)

  • サウンド処理:DSEE Ultimate 有効
  • 音源:ハイレゾ音源(FLAC 96kHz/24bit)とMP3(320kbps)を併用

この環境をベースに、全体の音質印象やサンプル曲レビューを行っています。

  • 星街すいせい「もうどうなってもいいや」
     ボーカルの芯がはっきりしており、コーラスとのレイヤーも自然に分離。低音のリズムが軽快に響き、全体を押し上げています。

  • 米津玄師「Plazma」
     空間の広がりは控えめながら、低域のうねりが心地よく耳に届く印象。細かい音が重なっても破綻せず、まとまって聴かせてくれます。

  • やしきたかじん「スターチルドレン」
     声の存在感が前に出ており、バックの楽器との分離が良好。高音域も耳に刺さらず、落ち着いた聴きやすさがありました。

  • YOASOBI「勇者」
     サビでの盛り上がりは迫力よりもバランス重視。低域がしっかり支える一方で、ボーカルは埋もれずにクリアに抜けてきます。

  • 鷺巣詩郎「EM20(=wunder operation)」
     オーケストラサウンドの厚みはやや整理され気味ですが、金管の迫力と弦の重なりは十分再現。全体的に聴きやすいまとまり方をしています。

  • Hardfloor「Acperience7」
     電子音の低域が小気味よく響き、リズムの立ち上がりも素直。クラブ系の曲でも過度に膨らまず、安定した鳴り方です。

  • 鈴村健一「ババーンと推参!バーンブレイバーン」
     楽曲全体が元気よくまとまり、ボーカルの勢いが楽しく伝わります。派手さよりも聴きやすさが前に出て、長時間でも疲れない印象です。

総じてどの曲も「フラット寄りでまとまりのある音作り」が強く、突出したクセはありません。その分、幅広いジャンルを安定して楽しめるスピーカーだと感じました。

 

4. ハイレゾ音源でわかるクリアさ

ハイレゾ音源を再生してみると、Echo 第4世代の実力がはっきりと感じられました。
不可逆圧縮音源でよくあるザラつきやノイズ感が少なく、透明感のあるサウンドがすっと耳に届きます。
楽器のアタック音やボーカルの余韻までしっかり表現されており、聴いていて心地よさが長く続きました。

一方で、一般的な MP3音源 では全体がやや柔らかく聴こえたり、部分的に音量が変化しているような印象を受けることもありました。
ただ、これは言い換えれば「高音質な音源を使えば、その分しっかりと応えてくれるスピーカー」ということ。
ハイレゾや高ビットレートの音源を流すと、Echo 第4世代のポテンシャルがぐっと引き出されるのを実感できました。

加えて、日常的に使うラジオや音楽ストリーミングでも好印象。
人の声とBGMがうまく分離されていて、声が埋もれずに前に出てきます。
そのためアナウンスやパーソナリティのトークがとても聞き取りやすく、長時間聴いていても疲れにくい印象です。
特にニュース番組やポッドキャストのように「声が主役」になるコンテンツでは、クリアで自然な聴こえ方が一層際立ちました。

 

5. 3.5mmジャックの仕様と有線接続の強み

Echo 第4世代の背面には 3.5mmステレオジャック が搭載されています。
一見シンプルな端子ですが、実際に使ってみると利便性の幅広さに気づきました。

このジャックは ライン入力・ライン出力の両方に対応 しており、スマホDAPを直接接続して外部スピーカーとして使ったり、逆に外部アンプやスピーカーへ音を出力することも可能です。
切り替えはAlexaアプリ側から行う仕組みで、設定自体は数タップで完了。普段から有線機器を使い慣れている人なら迷わず扱えると思います。

Bluetooth接続に比べて遅延や音質の劣化が抑えられる点も有線接続の強みです。特に動画視聴やゲーム用途では、映像と音のズレを感じにくいのは大きなメリットでしょう。

Echo シリーズというと「ワイヤレス前提」というイメージが強いですが、第4世代はこうした有線の柔軟性を備えているため、オーディオ機器との組み合わせ次第でさらに活用の幅が広がると感じました。

 

6. まとめ:最初から完成された音

Echo 第4世代を改めてじっくり使ってみて感じたのは、最初から完成されている音だということです。
低音は心地よく、高音は耳に優しく抑えられていて、ジャンルを選ばず安定したバランス。
ハイレゾ音源では透明感と解像感が際立ち、MP3やストリーミングでも人の声がはっきりと前に出て聴き取りやすい。
さらに3.5mmジャックによる有線接続にも対応しており、使い方の自由度も広がります。

無理にエージングを重ねなくても、手にしたその日から“ちょうどいい音”を楽しめる完成度はさすが。
普段使いのスピーカーとして、安心してリビングに置ける存在だと感じました。

次回は、手持ちの Google Home Mini(初代)との比較や、Echoを実際に「使い倒してみた」使用感をまとめる予定です。
続編としてさらに掘り下げていきますので、どうぞお楽しみに!