narita-lab’s blog

成田ラボ 〜テクノロジーと雑学の観察日記〜

Xperia 10 VII、ケーブル非同梱で正解。ダイソーでPDケーブルが買える時代に

Xperia 10 VIIの発表資料を見て、最初に目が止まったのは「同梱物」の欄だった。
そこに“充電ケーブルなし”と書かれていて、思わず「おっ」と声が出た。

最近のスマホはどれもコストカットを意識しているから、
「また削減か」と感じる人も多いだろう。
でも、ガジェットオタクの自分としては──これ、むしろ歓迎だった。

実を言うと、充電器本体(ACアダプター)はもっと前から姿を消している
つまり今回はその延長線上にあるだけ。
すでに“ケーブルも各自で用意する時代”が来ていた、ということだ。

ケーブルなんて今や家に何本も転がっている。
Type-Cが標準になってからは、どのメーカーでもだいたい共通だし、
むしろ“毎回ついてくるほうが困る”くらいだ。
新品の箱を開けて、使わないケーブルをそっと戻す──
そんなことを何度も繰り返してきた身としては、
「最初から入っていない方が気持ちいい」とさえ思う。

 

正直なところ、これまで買ってきたスマホのケーブルはほとんど使っていない。
新品を開けるたびに同じような白いケーブルが入っていて、
「とりあえず取っておくか」と思って箱に戻す。
──そのまま押し入れの奥へ。

気がつけば、似たようなケーブルが何本もたまっている。
Type-Cが当たり前になってからは、どのメーカーでも使えるようになったし、
性能的にも大差はない。
だから「予備」と言いつつ、実際には出番がない。

昔は“純正”という言葉に安心感があった。
けれど今は、ケーブルなんてどこでも買えるし、
むしろ“お気に入りの一本を選ぶ時代”になった。
ガジェット好きにとって、同梱ケーブルはもはやおまけというよりノイズに近い。

ケーブルの種類も増えすぎて、PD対応のものはマスキングテープを貼って区別している。
こうでもしないと、どれが急速充電対応なのか分からなくなる。
それくらい“ケーブルが溢れる時代”なんだ。

 

ここ数年、スマホ業界では“同梱品の見直し”が進んでいる。
一部では「コストカットだ」と批判する声もあるけれど、
実際は合理化の流れに近いと思う。

ケーブルなんて、もうどこでも手に入る。
最近ではダイソーですらPD対応ケーブルを販売している
110円や220円という価格で急速充電に対応しているのだから、
時代の変化を感じずにはいられない。

とはいえ、ダイソーのPDケーブルは長さが1mまで。
自分のように2mクラスが欲しい場合は、Ankerを選ぶようにしている。
要するに“使う人が自分の用途に合わせて選ぶ”のが今の標準なんだ。

メーカーが一律で付けるより、ユーザーが自分に合ったものを選ぶほうが合理的。
それに、今のユーザーはすでに知識を持っている
充電速度の違いやケーブルの耐久性も理解したうえで、自分で選択できる。
だからこそ、Xperia 10 VIIの“非同梱”は、
“削減”ではなく“自由化”に近い判断だと感じている。

 

もうひとつ、純正ケーブルが要らないと思う理由がある。
それは──短いのだ。

多くの純正ケーブルは1m前後。
ベッド横でスマホを操作したいときや、デスク裏を這わせたいとき、
ちょっとした距離が足りなくてイライラする。

自分はいつも2mくらいのケーブルを使う派だ。
長さがあるだけで取り回しが圧倒的に楽になる。
でも、純正品はどれも短くて実用的じゃない。
結局、箱に戻してサードパーティ製のケーブルを使うことになる。

このあたりも“非同梱でいい”と思える理由のひとつ。
ケーブルの長さや質感なんて、人によって理想が全然違う。
同梱されている1本がすべての人に最適であるはずがない。

だからメーカーはケーブルを“付けない”のではなく、
“選ぶ自由を残した”とも言える。
ユーザーに合わせた最適化──それが今のスマホの在り方なんじゃないだろうか。

 

スマホメーカーが“ケーブル非同梱”を説明するとき、
よく「環境への配慮」や「サステナブルな取り組み」という言葉が使われる。
もちろん、それも間違いではない。
だけど実際のところ、これはユーザーの自由化のほうが本質に近いと思う。

今のユーザーは、もう「充電方法を知らない初心者」ではない。
自分のスマホに合ったケーブルを選び、
どれが急速充電対応で、どの組み合わせが最適かを理解している。
だからこそ、メーカーが一律で“これを使ってください”と指定する必要がないのだ。

必要な人だけが買えばいい。
持っている人は買わなくていい。
それが一番エコで、一番合理的な流れ。

同梱品を減らすことは、単なる削減ではない。
それは、ユーザーが自分の知識と環境に合わせて
“最適な選択をする時代”への移行でもある。
つまり──ケーブル非同梱は、ユーザーへの信頼の証でもあるのだ。

 

充電ケーブルが箱から消えたことを、
「不親切」だと感じる人もいるかもしれない。
でも、少し視点を変えれば──
それは、私たちが“選べる立場”になった証拠だと思う。

昔は、メーカーがすべてを決めていた。
どんな長さで、どんな形のケーブルを使うかも含めて。
けれど今は、ユーザーが知識を持ち、選択できる。
必要な人はダイソーで買えばいいし、
こだわりたい人はAnkerやBelkinを選べばいい。

スマホという道具が成熟した今、
同梱品の削減は“コストダウン”ではなく“信頼の証”になった。
Xperia 10 VIIがケーブルを入れなかったのは、
私たちユーザーが、もうその先に進んでいるからだ。

 

ケーブルは、もらうものではなく、選ぶもの。

それが2025年のスマホのかたち──そう思う。

 

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