導入
「2,000円未満でハイレゾ対応」という文字を見て、半信半疑で手に取った FiiO JD10。

開封して耳に入れた瞬間の第一声は、正直「……本当にこの価格?」。
入門機の“それっぽさ”ではなく、ちゃんと音楽を聴かせる姿勢が最初の一音から伝わってくる。
付属品
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イヤホン本体
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3.5mmステレオケーブル(着脱式)
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イヤーピース:S/M/L
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紙類(クイックスタート等)

必要十分のミニマム構成。開封してすぐ使える。
外観・作り
筐体はシンプルで実用本位。高級感を狙うより軽さと取り回しを優先した造り。
仕上げは価格相応だが、成形精度は悪くない。耳への収まりが良く、装着安定性は上々。
再生環境(統一)
音質ファーストインプレッション
総評一言:フラット寄りの“まっすぐ型”。低価格帯にありがちな誇張が少ない。
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高音域:シャリつきが少なく、素直にスッと伸びる。刺さらない。
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中音域:ボーカルの位置が自然。近すぎず遠すぎず、センター合焦がきれい。
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低音域:量感は控えめだがタイト。沈み込みの芯があり、ボワつかない。
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音場/定位:横幅は標準的、定位は素直。音の“輪郭で聴かせる”タイプ。
2,000円未満でこのバランスは、正直 “反則級”。
エントリーの壁を一段飛び越えてくる感じ。
恒常曲でチェック(要点メモ)
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星街すいせい「もうどうなってもいいや」:
声がニュートラルに立ち、サ行も角が立たない。聴きやすさ◎。 -
米津玄師「Plazma」:
低域は締まり重視。うねりの表現は十分、過剰演出なし。 -
やしきたかじん「スターチルドレン」:
中域の滑らかさが出て、ブラスも刺さらない。素直に楽しめる。 -
YOASOBI「勇者」:
サビで団子にならず、コーラス層も把握しやすい。 -
鷺巣詩郎「EM20 = wunder operation =」:
スケール感は控えめだが、楽器の分離が崩れない。 -
Hardfloor「Acperience7」:
リズムの粒立ち良好。タイト志向で踊れる。 -
鈴村健一「ババーンと推参!バーンブレイバーン」:
ボーカルが前に出過ぎず、勢いだけに寄らないバランスが好印象。
CHU2/LANと比べると(簡潔比較)
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Moondrop CHU2:
JD10のほうがややフラットで“教科書的”。CHU2はもう少し明るく、見た目どおり元気。 -
Moondrop LAN:
LANは解像と余韻の描写が一段上。価格差相応に“表情の豊かさ”で優位。
ただし、JD10は素性が良く、価格を考えると驚くほど接近している場面もある。
こんな人に刺さる
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「まず まっすぐな入門機 が欲しい」
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「低価格でも ハイレゾ表記に見合う素直な音 を求めたい」
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「低音モリモリは苦手、タイト&バランス派」
所感(まとめ)
FiiO JD10 は、2,000円未満という価格を“言い訳にしない”一台。
派手さで誤魔化さず、ニュートラルなチューニングで真面目に音楽を聴かせる。
入門の一本目にも、サブの常用機にも、安心してすすめられる出来。
まさに “価格破壊、でも中身は堅実” なFiiOらしい仕上がりだった。
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