
■ 導入:祭りの日に空を見上げて
10月18日。
街は川越祭りで賑わっていた。
屋台の匂い、太鼓の音、人の波。
でも、自分の目はスマホの空に釘付けだった。
そこにいたのは——メガレックウザ。
久々に「ガチる」予感がした。
昼下がりの川越の空に、緑の龍が浮かんでいる。
太陽の下で光るその姿に、指先が勝手に反応した。
■ 第一章:12戦の記録
開始からわずか数分で、川越の通りがレイド会場と化した。
スマホを掲げる人、屋台の列でパスを投げる人。
お祭りのざわめきに混じって「GO!」の声が響く。
自分もその中にいた。
気づけば12戦。
そのうち4回は逃げられた。
プレミアボールの軌跡が外れるたびに、
太鼓の音がやけに遠く聞こえた。
■ 第二章:レックウザという存在
レックウザには、少し特別な思い出がある。
初めてプレイしたポケモンはサファイア。
あの頃は、友達が持っていたレックウザが羨ましくて仕方なかった。
「そらのはしら」を友達に手伝ってもらいながら、ようやく辿り着いた先で、
あの緑の龍と出会った。
捕まえた瞬間の震えは、今でも覚えている。
それから約10年後。
オメガルビー・アルファサファイアで再び邂逅。
“ガリョウテンセイ”を覚えさせ、メガシンカしたあの瞬間、
鳥肌が立った。
あの頃の興奮が、まるで今日の空と重なって見えた。
■ 第三章:一瞬の違和感
11戦目。
いつもよりも明らかにCPが高いレックウザが出た。
数値を見た瞬間、
“もしかして”という感覚が脳の奥をかすめた。
確信なんてなかった。
でも、この個体は今までのどれとも違う気がした。
——そういう時の直感は、だいたい当たる。
手の中には、まだ使ったことのないマスターボール。
躊躇はした。
でも、気づいたらもう指が投げていた。
■ 第四章:紫の軌跡
ボールが放たれた瞬間、
画面がわずかに暗くなり、紫の光が長い軌跡を描いた。
音もエフェクトも、他のどのボールよりも静かで重い。
ボールが弾かれず、そのまま光る。
捕獲成功。
呼吸を忘れて数秒見つめたあと、
個体値を開いた。
——100%。
その瞬間、反射的にガッツポーズが出た。

太鼓が鳴ってたのか、レイドの歓声だったのか、
もう覚えてない。
ただ、あの画面の光だけははっきり覚えている。
■ 結論:歩いた先に、空がある
レックウザを捕まえたあと、
ふと顔を上げると、青空の向こうに山車の屋根が揺れていた。
太鼓の音とレイドの鼓動。
川越の昼空で二つの音が重なっていた。
💬 あの日、川越の空には二つの太鼓が鳴っていた。
一つは祭りの音。もう一つは、トレーナーの鼓動。3年ぶりの復帰勢には、どちらも同じくらい熱かった。