narita-lab’s blog

成田ラボ 〜テクノロジーと雑学の観察日記〜

大阪食い倒れツアー番外編 河内の中華そば 醤について、少し語らせてほしい

導入|なぜ番外編で語るのか

阪食い倒れツアーの本編では、
この店について「最高に美味かった」という結論だけを書いた。

ただ、それだけではどうしても足りない。
たまたま当たりを引いた、という話ではないからだ。

河内の中華そば 醤は、
今回の旅で初めて入った店ではない。
過去の大阪遠征で、親類と一緒に訪れたことがあり、
気がつけば何度も足を運ぶ存在になっていた。

昼に通い、
たまたま夜営業に当たり、
そして今回の旅で改めて「これは書いておくべき店だ」と思った。

だからこれは、
勢いで書くレビューではない。
点数を付ける記事でもない。

あくまで、
何度か通った一人の客が、少し語る話だ。

 

この店との最初の出会い

この店に最初に来たのは、今回の食い倒れツアーよりも前のことだ。
過去の大阪遠征の際、親類に

「ここ、美味いんだよ」

そう言われて、連れてきてもらった。

行列店を探していたわけでもなく、
たまたま目に入った店でもない。
「美味いから行く」
理由は、それだけだった。

実際に一杯食べてみて、
派手な驚きがあったわけではない。
だが、食べ終わったあとに
「これは、ちゃんと美味いな」と素直に思えた。

その感覚が、意外と強く残った。

それ以来、大阪に来るたびに、
昼営業のタイミングが合えば思い出す。
そして、気が付くとまた暖簾をくぐっている。

初見で感動するタイプの店ではない。
だが、
信頼できる人が勧める理由が、あとから分かる店

この店との関係は、最初からそんな始まり方だった。

 

実は醤油ラーメンが、少し得意じゃない

先に正直な話をしておくと、
自分は醤油ラーメンが少し得意じゃない

嫌い、というほどではない。
食べられないわけでもない。
ただ、ラーメンを選ぶ場面で
「あえて醤油を選ぶか?」と聞かれると、
だいたい別の選択肢に手が伸びる。

理由はいくつかあるが、
多くの場合、醤油の主張が前に出すぎてしまうからだ。
尖りすぎていたり、逆にぼんやりしていたり、
自分にはちょうどいい塩梅に当たることが、あまり多くない。

そんな自分でも、
この店の醤油ラーメンは普通に食べられる。
しかも、「まあ悪くない」ではなく、
ちゃんと美味いと思える。

醤油が前に出すぎず、
スープと出汁のバランスが崩れていない。
無理に主張しないのに、印象が残る。

「醤油ラーメンが好きな人向け」というより、
「醤油が得意じゃない人でも成立する一杯」
そんな感覚に近い。

だからこそ、
この店には何度も足を運ぶことになった。

 

昼の醤油ラーメンについて

この店で基本になるのは、昼営業の醤油ラーメンだ。
派手な名前が付いているわけでもなく、見た目も過剰ではない。

だが、スープを一口飲んだ瞬間に、
「これはちゃんとしている」と分かる。

醤油が前に出すぎない。
かといって、存在感が薄いわけでもない。
出汁の輪郭がはっきりしていて、
その上に醤油が自然に乗っている、そんな印象だ。

麺も、スープにきちんと寄り添っている。
主張しすぎず、引っ張りすぎず、
全体のバランスを崩さない位置に収まっている。

正直なところ、
「分かりやすく美味い」というタイプではない。
一口目で感動する人もいるだろうが、
自分の場合は、食べ進めるうちに
じわじわと評価が上がっていく。

食べ終わったあとに残るのは、
強烈なインパクトではなく、納得感だ。

醤油ラーメンが得意じゃない自分でも、
最後まで無理なく食べられる。
そして、次に大阪に来たとき、
「あ、またここ行こうかな」と思い出す。

この昼の一杯があるからこそ、
この店は「通う店」になったのだと思う。

 

店の空気感と、ガンダム要素

この店の雰囲気を語るうえで、
ガンダム要素は避けて通れない。

店内には、ジオン軍モビルスーツが飾られている。
さりげなく、というよりは
「分かる人には分かる」くらいには、しっかり主張している。

店主も、ジオン軍系のTシャツを着ていることが多い。
ここまで来ると、
ガンダムが好きなのは隠していない、というより
堂々としていると言った方がいい。

ただ、不思議なことに、
それがラーメンの邪魔をしない。

ガンダムを知らなくても困らないし、
知らない人を置いていく感じもない。
あくまで背景として存在していて、
空気の一部になっている。

自分はガンダムが嫌いではないし、
どちらかと言えば好きな側だ。
だから、この雰囲気が居心地いい。

「ラーメン屋としてちゃんとしている」ことが前提にあって、
その上に店主の趣味が自然に乗っている。
そんな印象を受ける。

ガンダムオタクっぽい店、と言えばその通りだ。
でも、それはマイナスではない。
むしろ、この店の個性として、きちんと機能している。

ラーメンを食べに来ているのに、
なぜか落ち着く。
この空気感も含めて、
「また来たい」と思わせる理由の一つなのだと思う。

 

夜営業という、もう一つの顔

この店には、昼営業とは別に夜営業がある。
ただし、毎日やっているわけではない。

いわゆる不定期営業で、
タイミングが合わないと、そもそも入れない。
だからこそ、夜に当たった時は少しだけ嬉しい。

夜営業の時間帯になると、
店の名前が「サイド3」に変わる。

ガンダムを知っている人なら、
この時点でニヤリとするはずだ。
昼の時点でも十分に漂っていたジオン感が、
夜になると一段階はっきりする。

とはいえ、
空気が急に騒がしくなるわけでもないし、
内輪ノリが加速するわけでもない。

あくまで、
「そういう世界観でやっている夜」
というだけだ。

昼は、
静かにラーメンと向き合う場所。
夜は、
少しだけ遊び心が前に出る。

その切り替えが、無理なく成立しているのが面白い。

夜営業は特別だが、
決して敷居が高いわけではない。
ただ、行けたらラッキー。
それくらいの距離感が、ちょうどいい。

この「たまにしか開かない夜」があるから、
昼の一杯も、より大事に感じられる。
そんな関係性だと思っている。

 

夜のつけ麺について

夜営業で頼んだのは、つけ麺だった。

まず、麺だけで食べてみてほしい。
店主も、そう言う。

実際、そのまま食べても成立している。
麺に、味がある。

魚出汁と昆布の旨さが、ぎゅっと濃縮されているような感覚で、
何もつけなくても「もう美味い」と分かる。

次に、わさびを少し付けて食べる。
これもいい。

鼻に抜ける香りが、
麺の旨さを邪魔せず、むしろ輪郭をはっきりさせる。

さらに、藻塩を付けて食べる。
これも、ちゃんと美味い。

塩味が前に出すぎず、
麺の甘さや出汁感を引き立てる方向に働いている。

この時点で、
「もう十分完成しているのでは?」
と思う人もいるかもしれない。

だが、最後が本番だ。

つけ麺の汁に、麺をくぐらせる。

濃厚な鶏豚骨
重たいのに、しつこくない。
麺の旨さを受け止めるために用意されたようなスープだ。

麺単体で感じていた魚出汁と昆布の美味さが、
ここで一気に広がる。

正直に言うと、
この瞬間に全部持っていかれた。

30年ちょっと生きてきた中で、
一番美いつけ麺だったと思う。

勢いではない。
旅の疲れや、積み重ねた食事、
そういうものも全部含めての評価だ。

それでも、
「美味かった」では足りない。
最高に美味かった

この一杯のために、
夜営業を狙ってまた来たい。
そう思わせるだけの力が、確かにあった。

 

味の評価について、正直な話

ここまでかなり褒めてきたが、
一つだけはっきりさせておきたい。

味の評価は、十人十色だ。

自分は、この店のラーメンも、つけ麺も、
本気で美味いと思っている。
特につけ麺に関しては、
これまで食べてきた中で一番だと感じた。

ただ、それが
「誰にとってもそうか」と言われれば、
正直分からない。

濃厚な鶏豚骨も、
魚出汁と昆布の効いた麺も、
刺さる人には深く刺さるが、
合わない人には合わないかもしれない。

無理に全員に勧めるつもりはない。
行列に並んでまで食べてほしいとも言わない。

ただ、
「気になるな」と思ったなら、
一度食べてみてほしい。

その上で、
美味いと思うか、そうでもないと思うかは、
それぞれで決めればいい。

少なくとも自分は、
また行きたいと思っている。
それだけは、確かだ。

 

まとめ|この店をどう勧めるか

河内の中華そば 醤は、
誰にでも無条件で勧めたい店、というわけではない。

行列必至の話題店でもないし、
派手な演出があるわけでもない。
夜営業に至っては、タイミングが合わなければ入れない。

それでも、自分にとっては、
大阪に来たら思い出す店の一つだ。

醤油ラーメンが少し得意じゃない自分でも、
昼の一杯は無理なく、最後まで美味しく食べられる。
夜のつけ麺は、正直に言って忘れられない体験だった。

ガンダム要素が好きな人なら、
店の空気感もきっと楽しめると思う。
そうでなくても、
ラーメンとちゃんと向き合える場所だ。

味の感じ方は、人それぞれだ。
自分は美味いと思った。
他の人がどう思うかは、分からない。

だからこそ、
少しでも気になったなら、
自分の舌で確かめてみてほしい。

そして、もし
「また来たいな」と思えたなら、
それがこの店との、ちょうどいい付き合い方なんだと思う。