
① 導入|なぜ蘭2なのか
初代・水月雨 蘭は、
成田ラボの中では「基準機」として長く使ってきたイヤホンだ。
派手さはないが、
バランスが良く、
音の変化や再生環境の違いが分かりやすい。
だからこそ、
後継モデルとなる 蘭2 が出たと聞いて、
気にならないわけがなかった。
すでに初代・蘭は手元にあり、
今回は並べて比較できる状態でのレビューになる。

② 蘭2には「REF」と「POP」がある
水月雨 蘭2には、
REF と POP の2種類のチューニングが用意されている。
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REF
→ 楽器表現重視
→ 分離・定位・バランスを重視
→ モニター寄りの方向性 -
POP
→ ボーカル重視
→ 聴きやすさ優先
→ 歌もの向けのチューニング
今回選んだのは REF。
理由はシンプルで、
初代・蘭や、直近でレビューしたSHURE AONIC 215と比較するなら、
同じく「楽器側」を向いた音の方が差が見えやすいからだ。
③ 外観・仕様の変更点(初代・蘭との違い)

■ プラグが3.5mm → 4.4mmバランス端子に変更

初代・蘭は 3.5mmアンバランス端子だったが、
蘭2では 4.4mmバランス端子が標準になった。
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3.5mmで使用する場合は
付属の変換コネクタを経由する必要がある -
手軽さという点では、初代の方が楽だった印象
バランス接続前提なら合理的だが、
スマホ直挿し派には一手間増えた。
■ 端子形状がL字 → ストレートに変更

端子形状も変更されている。
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初代・蘭:L字プラグ
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蘭2:ストレートプラグ
この変更については、少し不安もある。
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ポケットに入れた状態での取り回し
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歩行中の負荷
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断線リスク
持ち歩き用途を考えると、
L字の方が安心感はあった。
④ ここまでの時点での印象(音に入る前)
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蘭2は、初代よりも
オーディオ寄り・据え置き寄りの設計に寄っている -
手軽さよりも、
接続環境や音質を重視する方向性
この時点で、
「蘭2は万人向けではない」
という予感はある。
⑤ 視聴環境について(前提条件)
今回の視聴環境は以下。
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再生機:HiBy M300
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再生アプリ:Poweramp
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イコライザー設定
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プリセット:ロック
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プリアンプ:+12
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低音:+50%
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高音:+19%
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普段から使っている設定そのままで、
初代・蘭と蘭2(REF)を並べて比較している。
⑥ 蘭2(REF)単体のファーストインプレッション
まずは蘭2(REF)単体で聴いた印象から。
正直に言うと、
良い意味で、大して差はない。
初代・蘭を基準にしていると、
音の方向性はかなり近い。
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バランスは崩れていない
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音作りは蘭の延長線上
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派手な変化は感じない
ただし、
しばらく聴いていると、ひとつ気づく点がある。
細かい音が拾えるようになった気がする。
劇的ではないが、
情報量の出方が少しだけ整理された印象だ。
⑦ 初代・蘭との比較で感じた違い
初代・蘭と並べて聴いてみると、
違いは「別物」ではなく「微差」。
■ クリアさ
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蘭2の方が、わずかにクリアに聴こえる
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音の輪郭が少しだけ整っている
「言われれば確かに分かる」程度だが、
差がゼロとは言えない。
■ 再生周波数帯域の違いについて
スペック上の違いとして、
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初代・蘭:20Hz〜38kHz
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蘭2:20Hz〜60kHz
となっている。
この数値がそのまま聴感に直結するかは別として、
高域側の余裕が、
細かい音の拾いやすさにつながっている可能性はある。
クリアに聴こえる理由としては、
この帯域拡張の影響かもしれない。
⑨ 固定7曲での比較(初代・蘭との違い)
今回も、成田ラボでいつも使っている固定7曲を使って、
初代・蘭と蘭2(REF)を並べて聴き比べた。
結論から書く。
音質そのものは、ほぼ変わらない。
※初代蘭の固定7曲レビューはこちらからどうぞ
■ 全体的な印象
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音のバランスは初代・蘭とほぼ同じ
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音楽の聴こえ方が大きく変わることはない
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キャラクターの違いを感じるほどではない
「別物になった」「方向性が変わった」
そういった変化は確認できなかった。
■ 強いて言うならの違い
違いがあるとすれば、
前のセクションでも触れた通り、この一点。
細かい音が、わずかに拾えるようになった気がする。
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小さな音の輪郭
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背景に埋もれていた成分
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音の整理感
こういった部分が、
ほんの少しだけ前に出てくる印象はある。
ただし、
「言われれば分かる」
「気のせいと言われたら否定できない」
そのレベルだ。
■ 固定7曲を通しての結論
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初代・蘭の音が好きなら、違和感はない
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蘭2だから別の音楽体験になる、ということはない
-
音質は基本的に同等
蘭2は、初代・蘭の音を崩さずに、
わずかに整えたモデルだと感じた。
⑩ 固定曲から見える蘭2(REF)の立ち位置
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音を派手に変えない
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チューニングで主張しない
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「違い」を前に出さない
これは欠点ではなく、
水月雨が“蘭という音”を維持した結果だと思う。
⑩ 総合評価|水月雨 蘭2(REF)は誰向けか
蘭2(REF)を一通り聴いて、
最終的に感じた評価は、かなりはっきりしている。
■ 安価なイヤホンからのランクアップには最適
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音のバランスが良い
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破綻がなく、整理された鳴り方
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楽器の位置や細かい音が分かりやすい
これまでエントリークラスのイヤホンを使っていて、
「もう一段、ちゃんとした音を聴きたい」
という人には、かなり良い選択肢だと思う。
音の方向性にクセがなく、基準になりやすい。
■ ただし、変換が必須というデメリットはある
蘭2は4.4mmバランス端子が標準のため、
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3.5mm環境では変換コネクタが必須
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手軽さは初代・蘭より下がった
気軽にスマホへ直挿し、という使い方には向かない。
ここは、
人によっては明確なマイナスになるポイントだ。
■ 初代・蘭からの買い替えは必要か?
正直に言うと、
買い替える必要はあまりない。
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音質はほぼ同等
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キャラクターもほぼ同じ
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違いは「微差」の範囲
細かい音の拾いやすさや、
わずかなクリアさの違いはあるが、
劇的な進化とは言えない。
■ 水月雨ファン向けのアップデート
結論として、
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初代・蘭をすでに持っている人
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音質に不満がない人
であれば、
無理に蘭2へ移行する理由は少ない。
一方で、
水月雨が好きで、
蘭という音の完成度を少しでも上げたい人
にとっては、
納得できるアップデートモデルだと思う。
📌 成田ラボ的・結論
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初代・蘭を否定しない進化
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音を変えず、わずかに整えたモデル
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万人向けではないが、筋は通っている
蘭2は「買い替えモデル」ではなく、
「選び直しモデル」。
これが、
水月雨 蘭2(REF)を使って出した結論だ。