narita-lab’s blog

成田ラボ 〜テクノロジーと雑学の観察日記〜

自転車屋の生態その1「あなたはそろそろモニターイヤホンを買いなさい」と言われた話

成田ラボが働いている自転車屋は、少し変わっている。

 

もちろん自転車の話もする。修理の話、パーツの話、工具の話。
ただ、それだけで終わることはまずない。

 

気が付けば話題はどこかへ飛んでいく。
割合で言えば、自転車4に対してその他6くらいだろうか。

 

くっだらない話で笑ったり、なぜか宇宙戦艦ヤマトで盛り上がったり。
ここは本当に自転車屋なのか、とたまに思う。

 

まあ、そんな職場である。嫌いじゃない。

 

自転車屋の人間関係とちょっと変な環境

うちの自転車屋の人間関係をざっくり説明しておく。

 

自分がいるのは修理メインの店舗で、社長と先輩、それと自分。
あとは夜だけ入る高校生のバイトくんがいるけど、ほぼ顔を合わせることはない。

 

もう一つ、販売メインの店舗があって、そっちには社長の奥さんともう一人の先輩がいる。

 

で、ここからがちょっと面白いんだけど——
こっちの先輩が休憩に入ると、販売側からその先輩がヘルプで来る。

 

この人がまた曲者で、元バンドマン。
しかもオーディオオタク。

 

役満である。

だからまあ、話が合う。

 

自転車の話をしていたはずなのに、気が付けば音の話になっている。
そんなことが、割と普通に起きる。

 

なぜかイヤホンの話になる

そんなある日のことだ。

 

いつものように雑談をしていた。
内容は……正直よく覚えていない。どうせ大した話じゃない。

 

ただ、気が付いたら音楽の話になっていた。
この店では珍しくもなんともない流れだ。

 

そしてそのまま、イヤホンの話へと移行する。

 

「ARIA2買おうと思ってるんですよね」

そんな流れで、何気なく口にした。

 

「最近またイヤホン買おうと思ってるんですよね」

 

「ほう、何買うの?」

 

「水月雨のARIA2とかいいかなって思ってて——」

 

ここまでは、ただの雑談だった。

少なくとも自分は、そう思っていた。

 

「君はそろそろモニターイヤホンを買いなよ」

「君はそろそろモニターイヤホン買いなよ」

 

間髪入れずに返ってきた。

いやいやいや、急に何を言い出すんだこの人は。

 

「いや、自分一応SHUREとM20BT持ってますよ?」

 

そう返すと、さらに畳み掛けてくる。

 

「いやいやいや、そういうのじゃなくて。もっといいヤツ買いなよ」

 

圧が強い。

そしてなぜか説得力もあるから困る。

 

持ってるけど、それじゃないらしい

正直、意味が分からなかった。

 

SHUREも持っているし、M20BTもある。
自分の中では「一応ちゃんとしたの持ってる側」だと思っていた。

 

なのに、それでもなお「違う」と言われる。

 

どうやら、自分が思っている“いいイヤホン”と、
この人の中の“いいイヤホン”は、定義が違うらしい。

 

モニターイヤホンとは何か(軽く)

モニターイヤホンというのは、ざっくり言うと「盛らないイヤホン」だ。

 

低音を強調したり、高音をキラキラさせたり。
そういう“楽しくするための味付け”を、あまりしない。

 

その代わり、音源に入っている音をそのまま出す。
いわゆる「原音忠実」というやつだ。

 

言い方を変えれば、面白くはない。

でも、その分だけ“正しい音”が聴ける。

 

正直、楽しい音の方が良くない?

正直に言うと、自分はこっち側の人間だ。

 

多少盛ってくれていい。
低音がズンズン鳴ってくれた方が楽しいし、高音もキラッとしてる方が気持ちいい。

 

いわゆる“ドンシャリ”ってやつだ。

 

だからこそ、モニターイヤホンにはあまり惹かれていなかった。
面白くない音をわざわざ選ぶ理由が、正直よく分からなかった。

 

でも、ちょっと気になっている

ただ、不思議なもので。

 

あそこまで言い切られると、少し気になってくる。

 

しかもあの人、ただのオーディオ好きじゃない。
元バンドマンで、音を“作る側”の人間だ。

 

そんな人が「そろそろ買え」と言う。

 

それは単なる好みの話じゃなくて、
何かしら理由があるんじゃないかと思えてくる。

 

自転車屋の生態としての結論

自転車屋という場所は、不思議なところだ。

 

自転車の話だけをしているわけじゃない。
むしろ、それ以外の話の方が多いくらいだ。

 

そしてなぜか、専門外の話なのにやたらと的確なアドバイスが飛んでくる。

今回の「モニターイヤホンを買え」も、きっとその一つなんだろう。

 

まとめ

自転車屋は、自転車を直す場所ではある。

 

でもそれだけじゃない。

 

人がいて、会話があって、どうでもいい話と、たまに刺さる話が混ざっている。

 

だからまあ——
こういう一言が、妙に引っかかるのかもしれない。