導入
自転車屋をやっていると、たまに思う。
人によって「まだ大丈夫」の基準が違いすぎる。
こちらから見れば完全に限界。
でも、お客さんは普通にこう言う。
「まだ乗れますよね?」
全然大丈夫じゃねぇんだわ。
こっちから見ると全然大丈夫じゃない
もちろん、わざと放置しているわけじゃないと思う。
毎日乗っていると、少しずつ悪くなる変化には気付きにくい。
音も、乗り心地も、ブレーキの効きも。
人間は慣れてしまう。
だからこそ、限界を超えていても普通に乗れてしまう。
これが結構怖い。
タイヤ、限界突破
特に多いのが、タイヤだ。
溝なんてとっくに消えている。
場所によっては、内部が見えそうになっている。
でも、お客さんは割と普通にこう言う。
「まだ大丈夫でしょ?」
いや、無理です。
限界です。
タイヤ替えてください。
これを何回言ったか分からない。
「その音、絶対ダメでしょ」
たまに、店の前を通過していく自転車の音で手が止まることがある。
「ガガガガガ」
「ギギギギギ」
いや、絶対ダメでしょその音。
そう思うレベルの異音を出しながら、普通に走っていく。
しかも本人は割と普通の顔をしている。
慣れてしまうんだと思う。
毎日乗っていると、少しずつ悪化していることに気付きにくい。
だからこちらとしては、
「それ危ないですよ」と声を掛けることもある。
ブレーキシューが消滅している
もっと怖いのは、ブレーキシューが完全に無くなっているケースだ。
ゴム部分が消え、金属が直接リムを削っている。
当然、音もすごい。
こうなると、ブレーキシュー交換だけでは終わらない。
リム側もダメになる。
つまり、修理代が一気に跳ね上がる。
そして、それを説明する時間が結構つらい。
「シューとリム両方ダメですね。交換になります」
「時間もかかりますし、金額も万超えます」
この瞬間の空気は、なかなか重い。
「まだ乗れる」は意外と危ない
不思議なもので、自転車って意外と壊れた状態でも走れてしまう。
だから「乗れる」と「安全」は別になる。
普通に走れているように見えても、
実際にはかなり危ない状態だったりする。
特にタイヤやブレーキ周りは、その差が大きい。
修理代は後回しにすると増える
そしてもう一つ厄介なのが、放置すると修理代が増えることだ。
早めならタイヤ交換だけで済んだものが、
他の部分まで傷んでしまう。
結果として、修理内容も増える。
「もう少し早ければ安く済んだんだけどな……」
と思うことは、割と多い。
自転車屋の生態としての結論
自転車は、思っている以上に壊れた状態でも走れてしまう。
だからこそ、気付きにくい。
でも、限界を超えたまま乗り続けると、
危ないし、修理代も増える。
こちらとしては、本当に壊れる前に来てほしい。
それが一番、安全で安く済む。
まとめ
「まだ大丈夫」
その感覚は、多分みんな思っている。
ただ、自転車屋から見ると、
全然大丈夫じゃないことも結構多い。
だからこそ、たまには点検してほしい。
本当に、それだけで変わる。