昔住んでた場所の近くに用事があって、ついでに少し周囲を歩いてみた。
懐かしい気分になるのかなと思っていたけど、実際はちょっと違った。
確かこの辺にコンビニがあったよな、とか。
この道を真っ直ぐ行くと古いゲーム屋があったよな、とか。
頭の中には昔の景色が残っているのに、現実にあるのは全然別の街だった。
気づけば建物は建て替わり、知らないマンションが増え、妙に綺麗な道路になっている。
「あれ、ここ何だったっけ」と立ち止まる回数が思った以上に多かった。
別に廃れたとか、逆に発展しすぎたとか、そういう話ではない。
ただ、自分の記憶だけが昔のままで止まっていて、街の時間はちゃんと進み続けていたんだなっていう感覚。
なんというか、少しだけ浦島太郎みたいな気分になった。
知らない建物が、当たり前みたいに増えている
逆に、昔は無かった建物もかなり増えていた。
気づけば大きめのマンションが建っていたり、妙にオシャレなカフェが増えていたり、昔は空き地だった場所が綺麗に整備されていたりする。
再開発ってこうやって進むんだな、と妙に現実感があった。
もちろん便利にはなっているんだと思う。
実際、人が住みやすいように街を更新していくのは大事なことだ。
でも、自分の記憶と一致しない。
ここは暗い駐車場だったはず。
ここは古いアパートが並んでいたはず。
そんな記憶の上から、新しい景色が塗り替えられている感じがする。
だから懐かしい場所を歩いているのに、どこか知らない街を歩いている感覚になる。
街そのものは確かに同じ場所なのに、自分の中の地図だけが古いまま取り残されている。