最近ふと思った。
エントリークラスのDAPとエントリークラスのスマホって、本当に音が違うのだろうか。
昔はスマホの音質なんてお世辞にも良いとは言えなかったし、音楽をしっかり聴くならDAPという考え方にも納得できた。
でも今は時代が違う。
スマホの性能は大きく向上したし、DAPもAndroid搭載が当たり前になった。
だったら実際どれくらい違うのか、自分の耳で確かめてみようと思った。
今回比較したのはRedmi 12 5GとHiBy M300。
イヤホンはMoondrop ARIA2、再生アプリはPowerampを使用。EQ設定もM300からエクスポートして揃えてある。
接続はシンプルに3.5mmイヤホンジャックへ有線接続。
Bluetoothは使わず、できるだけ条件を揃えた状態で比較してみた。
正直なところ、もっと大きな差が出ると思っていた。
ところが実際に聴き比べてみると、予想とは少し違う結果になった。
検証環境
今回使用した機材はこんな感じ。
再生機
- Redmi 12 5G
- HiBy M300
イヤホン
- Moondrop ARIA2
再生アプリ
- Poweramp
接続方法
- 3.5mmイヤホンジャックへ有線接続
Powerampの設定については、普段M300で使用している設定をエクスポートし、Redmi 12 5G側へインポートして統一した。
音源や再生環境も可能な限り揃えている。
Bluetooth接続については今回は未検証。
個人的に有線イヤホンを使う機会が多く、純粋に有線接続時の違いを知りたかったからだ。
また、ARIA2はハイレゾ認証こそ取得していないものの、音の解像度や表現力は十分高く、今回の比較用イヤホンとしては不足はないと判断した。
実際、M300との相性も良好だし、Redmi 12 5Gでも特に不満なく鳴らせている。
条件を揃えた上で聴き比べてみた結果、まず最初に感じたのは――
「思ったより差が無いな……」
ということだった。
実際に聴き比べてみた
正直な話、もっと差が出ると思っていた。
DAPは音楽専用機だし、スマホとは明確な違いがあるだろう。そんな先入観も多少あった。
ところが実際に聴き比べてみると、思った以上に差が小さい。
M300の方が若干クリアな気もするし、Redmi 12 5Gの方がうっすらノイズが乗っているような気もする。
ただ、その差は劇的なものではない。
目隠しをしてどちらがどちらか当てろと言われたら、自信を持って正解できるかと言われると怪しいレベルだ。
少なくとも、
「スマホは音が悪い」
とか
「DAPは別次元の音がする」
といった印象は受けなかった。
むしろ両方とも普通に良い音で鳴っている。
今回使用したARIA2も十分な実力を持ったイヤホンだが、そのARIA2を使っても大きな差は感じなかった。
もちろん、もっと高価なDAPや高級イヤホンを使えば結果は変わるかもしれない。
しかし、今回比較したのはあくまでもエントリークラスのDAPとエントリークラスのスマホだ。
その範囲で言うなら、音質面での差はかなり小さいと感じた。
むしろ驚いたのは、スマホ側の音質が思った以上に健闘していたことだった。
なぜ差が小さいのか
一昔前なら、今回とは違う結果になっていたかもしれない。
昔のスマホは音楽再生を重視している機種が少なく、イヤホンジャックの品質やノイズ対策も今ほど力が入っていなかった。
そのため、
「音楽をしっかり聴くならDAP」
という考え方にはそれなりの理由があった。
しかし現在は状況が大きく変わっている。
スマホそのものの性能が向上し、音楽再生周りの品質も以前と比べて大きく改善された。
また、DAP側も専用OSではなくAndroidを搭載する機種が増え、使い勝手そのものはスマホにかなり近付いている。
実際、今回比較したHiBy M300もAndroid搭載機だ。
SpotifyやAmazon Music、YouTube Musicなどのストリーミングサービスも普通に利用できる。
昔のように、
「スマホ」と「DAP」
が全く別物だった時代とは少し事情が違う。
もちろん高級DAPの世界になると話は別だろう。
専用アンプや高性能DACを搭載した10万円以上のモデルなら、今回とは違う結果になる可能性もある。
ただ、少なくともエントリークラス同士の比較であれば、音質差だけを目的にDAPへ乗り換える必要性は以前ほど高くないように感じた。
むしろ今は、
音質で選ぶというより、
どう運用したいかで選ぶ時代なのかもしれない。
じゃあDAPは要らないのか?
今回の検証結果だけを見ると、
「だったらDAPなんて要らないじゃないか」
と思うかもしれない。
ただ、個人的にはそういう話でもないと思っている。
例えばSpotifyやAmazon Music、YouTube Musicなどのストリーミングサービスを中心に利用するのであれば、スマホの方が便利だ。
普段持ち歩いている端末1台で完結するし、わざわざ機器を増やす必要もない。
実際、今回比較したRedmi 12 5Gも普通に良い音で鳴っていた。
一方で、DAPにはDAPの良さがある。
microSDカードへ大量の楽曲を保存できるし、通知や着信に邪魔されることもない。
スマホのバッテリー残量を気にせず音楽を聴けるのも地味に便利だ。
音楽を聴くためだけの機械として考えるなら、やはりDAPには一定の価値がある。
結局のところ、
ストリーミング配信を中心に利用するならスマホ。
ローカル保存した楽曲を中心に聴くならDAP。
この使い分けが一番しっくり来るように思う。
音質だけを理由に選ぶというより、自分の使い方に合わせて選んだ方が満足度は高いだろう。
まとめ
今回、Redmi 12 5GとHiBy M300を使って聴き比べをしてみたが、予想していたほど大きな差は感じなかった。
M300の方が若干クリアな気もするし、Redmi 12 5Gの方がわずかにノイズが乗っているような気もする。
ただ、その差は目隠しして判別できるか怪しいレベルだ。
少なくとも、
「スマホだから音が悪い」
という時代はもう終わったように思う。
エントリークラスのDAPとエントリークラスのスマホであれば、音質面での差はかなり小さい。
だからこそ、どちらを選ぶかは音質ではなく使い方で決めれば良い。
ストリーミング中心ならスマホ。
ローカル保存した楽曲を中心に聴くならDAP。
今回の検証で得た結論は、それに尽きる。
もしこれから音質向上を狙うのであれば、DAPを買い替える前にイヤホンやヘッドホンを見直した方が変化は大きいかもしれない。
少なくとも今回の比較では、エントリークラス同士なら好きな方を使えば良い。
そんな身も蓋もない結論になった。
