narita-lab’s blog

成田ラボ 〜テクノロジーと雑学の観察日記〜

初めてMSフレキを手に取って思ったこと

MSフレキという存在は、前から知っていた。

ミニ四駆を少し調べれば、

  • 「最強」
  • 「大会でよく見る」
  • 「コースアウトしにくい」

そんな言葉と一緒に出てくる、いわゆるガチマシンだ。

 

もちろん、強いことも知っていた。

MSシャーシを加工して、シャーシ自体をしならせる。

衝撃を吸収して、ジャンプ後の姿勢を安定させる。

理屈としては理解していたつもりだった。

 

でも、実際に手に取ったことはなかった。

私自身、

  • MEシャーシを触ったり、
  • ポン付けセッティングを考えたり、
  • 一軸アンカーを試してみたり、

どちらかと言えば「普通のミニ四駆」の延長線上で遊んできた。

 

そんな中、縁あって前後バンパーの無いMSフレキを手に取る機会があった。

そして最初に思った。

 

「……これ、本当にミニ四駆か?」

 

シャーシは切られている。

前後のバンパーは無い。

なんなら、普通のMSシャーシとは別物にしか見えない。

 

強いとは聞いていた。

でも、実物を目の前にすると、その印象は「速そう」よりも先に、

「なんだこれ」

だった。

 

今回は、そんな普通のミニ四駆しか知らなかった私が、初めてMSフレキを手に取って思ったことを書いてみたい。

作り方の解説でも、最速理論でもない。

ただ一人のミニ四駆復帰勢として、

MSフレキという"魔改造マシン"を初めて見た時の率直な感想を残しておこうと思う。

 

1. 最初の感想は「これ本当にミニ四駆?」

正直に言う。

MSフレキを初めて手に取った時の感想は、

「これ、本当にミニ四駆なの?」

だった。

 

だって、知っているMSシャーシと全然違う。

 

まず目に入ったのが、

前後のバンパーが無い。

 

普通のミニ四駆なら、

ローラーを取り付けるためのバンパーがある。

FRPやカーボンを重ねて補強することはあっても、基本的な形は残っている。

 

でも目の前のMSフレキは違った。

 

ない。

本当にない。

 

「え、これ切ったの?」

と思わず確認したくなるレベル。

 

さらによく見ると、

シャーシそのものも加工されている。

  • 削られている

  • 切られている

  • 可動するようになっている

私の中のミニ四駆って、

「パーツを追加して速くするもの」

だった。

  • モーター交換

  • ローラー交換

  • マスダンパー追加

そういう発想。

 

でもMSフレキは、

シャーシそのものを改造している。

 

しかも、

「壊れた」わけではなく、

意図的にそう作られている。

 

これが一番衝撃だった。

 

子供の頃だったら、

「そんなところ切って大丈夫なの?」

と思っていたと思う。

 

実際、大人になった今でも思った。

 

「いや、本当にこれレギュレーション通るの?」

って。

 

でも調べてみると、

ちゃんと公式大会でも使われている。

 

つまりこれは、

裏技でも抜け道でもなく、

ミニ四駆という競技の中で生まれた、一つの完成形。

 

だからこそ、

最初は戸惑った。

 

でも同時に、

「なんだこれ、面白そうだな」

とも思った。

 

この"違和感"こそが、

MSフレキというマシンの第一印象だった。

 

2. 発想そのものが違った

MSフレキを見ていて一番驚いたのは、

見た目じゃない。

 

発想そのものが違うこと。

これだった。

 

今まで自分がやってきた改造って、

基本的には「足し算」だった。

  • モーターを変える

  • ローラーを追加する

  • マスダンパーを付ける

  • FRPやカーボンで補強する

つまり、

元のシャーシを活かしながら性能を上げていく。

そんな考え方。

 

MEシャーシのポン付けセッティングなんかは、まさにそうだ。

 

でもMSフレキは違う。

 

まず、

切る。

 

そして、

削る。

 

さらに、

動くようにする。

 

普通なら、

「ここを補強しよう」

と考える部分を、

MSフレキは

「ここを動かそう」

と考える。

 

この時点で発想が真逆だ。

 

最初は正直、

「いやいや、壊してるじゃん」

と思った。

 

でもよく考えてみると、

ジャンプして、

着地して、

衝撃を受けるなら、

その衝撃を逃がせた方が有利なのは当然だ。

 

そしてMSフレキは、

その答えとして

"シャーシそのものをサスペンション化する"

という結論に辿り着いている。

 

これってかなり凄い。

 

ミニ四駆って、

もともとは子供向けホビーだ。

 

それなのに、

長い年月をかけて、

「どうやったらもっと速くなるか」

を考え続けた結果、

シャーシを切ってしならせるところまで行き着いた。

 

もう完全に、

ホビーというより競技の進化。

 

だからMSフレキを見ていると、

「なるほど、そりゃ強いわ」

と思う一方で、

「よくこんなこと思いついたな……」

という感心の方が大きかった。

 

ただパーツを交換するだけじゃない。

 

発想そのものを変える。

 

それがMSフレキというマシンなんだと思う。

 

3. 強い理由はなんとなく分かった

MSフレキを初めて手に取った時、

最初の感想は「なんだこれ」だった。

 

でも、しばらく眺めているうちに、

「ああ、そりゃ強いわ」

とも思った。

 

理由は単純。

 

衝撃を逃がせるから。

 

普通のミニ四駆って、

ジャンプして着地した時の衝撃を、

  • タイヤ

  • マスダンパー

  • バンパー

なんかで受け止める。

 

でもMSフレキは違う。

 

シャーシそのものが動く。

 

着地した瞬間、

「ガツン」と受け止めるんじゃなくて、

「フッ」と力を逃がす。

 

もちろん実際に走らせたわけじゃない。

だから、

「MSフレキ最強です!」

なんて断言はできない。

 

でも構造を見ているだけで、

理屈は分かる。

 

例えば、

普通のマシンなら跳ねそうな衝撃でも、

MSフレキならしなって吸収できそう。

 

一軸アンカーやATスラダンなんかも、

「なるほど、こういう考え方で組み合わせるのか」

と納得できる。

 

つまりMSフレキって、

奇抜な改造に見えて、

実はかなり理にかなっている。

 

ただ速そうだから。

みんな使っているから。

 

そういう理由だけで広まったわけじゃない。

 

ちゃんと、

"強くなる理由"がある。

 

だから最初は、

「こんなの反則じゃないの?」

と思ったのに、

構造を理解していくと、

「これは競技として自然に進化した結果なんだな」

という印象に変わっていった。

 

なんだこれ。

 

でも、

なるほど。

 

MSフレキって、

まさにそんなマシンだった。

 

4. でも初心者には勧めにくい

ここまで書いておいてなんだけど、

もし誰かに

「今からミニ四駆始めるんですけど、MSフレキってどうですか?」

と聞かれたら、

私はたぶんこう答える。

 

「やめておいた方がいいと思う。」

 

いや、正確には違う。

 

「いずれ触るのはアリ。でも最初ではない。」

これが本音だ。

 

理由はシンプル。

 

難しい。

 

MSフレキって、

完成形だけを見ると格好いい。

  • 大会でよく見る

  • 強そう

  • 最速っぽい

でも実際には、

  • シャーシ加工前提

  • 可動域の調整

  • ギミックの理解

  • セッティングの意味

みたいな知識が必要になる。

 

しかも厄介なのが、

「なぜそうなっているのか」が分からないと調整できないこと。

 

例えば、

ATスラダン。

 

「みんな付けてるから付ける」

では、たぶん上手くいかない。

 

提灯もアンカーも同じ。

 

「なんとなく強そう」

で組んでも、

コースが変わった瞬間に迷子になる。

 

だから個人的には、

まずはMEシャーシみたいな普通のシャーシを触った方がいいと思っている。

  • 駆動ロスを知る

  • ローラーの役割を知る

  • ブレーキを理解する

  • マスダンパーの意味を知る

そういう基礎があると、

MSフレキを見た時に

「なんでこうなってるのか」

が分かるようになる。

 

実際、私自身も、

MEシャーシを触ったからこそ、

MSフレキの発想に納得できた部分が大きい。

 

だからMSフレキは、

初心者お断りのマシンではない。

 

でも、

初心者が最初に選ぶマシンでもない。

 

基礎を知って、

ミニ四駆の楽しさを知って、

「もっと先が見たい」と思った時に触る。

 

そのくらいの距離感が、

ちょうどいいマシンなんじゃないかと思っている。

 

5. MSフレキは“最終目標”ではなく“選択肢”

ミニ四駆を続けていると、

いつの間にか

「MSフレキ=最強」

みたいなイメージを持つことがある。

 

実際、

大会の写真や動画を見ると、

MSフレキはよく出てくる。

 

だから、

「いつかはMSフレキ」

「最終的にはMSフレキを組まなきゃ」

と思う人もいるかもしれない。

 

でも今回、実際に手に取ってみて思った。

 

別に、全員がMSフレキを目指さなくてもいい。

 

もちろん強い。

それは間違いない。

 

でも、

強い=正解

ではない。

 

例えば、

MEシャーシみたいに、

  • 再現性が高い

  • セッティングしやすい

  • 基礎を学びやすい

そんなシャーシの方が合っている人もいる。

 

FM-Aみたいに、

フロントモーターならではの特性が好きな人もいる。

 

VZシャーシの軽快さが好きな人もいる。

 

つまり、

ミニ四駆って「自分に合った正解」を探す遊びなんだ。

 

MSフレキは、

その中の一つの答え。

 

最速を目指した結果、

辿り着いた選択肢の一つ。

 

でも、

唯一の正解ではない。

 

だから私は、

MSフレキを見て

「うわ、なんだこれ」

と思った後に、

「なるほど、こういう考え方もあるのか」

と思った。

 

そして最後には、

「じゃあ自分はどうしようかな」

と考え始めた。

 

たぶん、それでいい。

 

ミニ四駆って、

誰かの正解をなぞるだけの遊びじゃない。

 

自分なりの答えを探していく遊びだ。

 

MSフレキもまた、

"目指さなければいけないゴール"ではなく、

数ある選択肢の中の一つ。

 

そう思えたからこそ、

初めて手に取ったMSフレキは、

少し身近な存在になった気がした。

 

結論:「なんだこれ」が「なるほど」に変わるマシンだった

初めてMSフレキを手に取った時の感想は、

正直に言えば、

「なんだこれ」

だった。

 

前後のバンパーは無い。

シャーシは切られている。

普通のミニ四駆なら「壊れてる」と思うような状態なのに、それが完成形として成立している。

 

子供の頃の自分が見たら、

「そんなところ切って大丈夫なの?」

と本気で心配していたと思う。

 

でも、構造を見て、

考え方を知って、

強い理由を理解していくうちに、

その印象は少しずつ変わっていった。

 

「なんだこれ」から、

「なるほど」へ。

 

ジャンプ後の衝撃を逃がすため。

着地を安定させるため。

コースアウトを減らすため。

 

見た目のインパクトだけじゃなく、

ちゃんと理屈があった。

 

だからこそ、

MSフレキは単なる魔改造ではなく、

長年ミニ四駆を突き詰めてきた人たちが辿り着いた一つの答えなんだと思う。

 

ただ、それは唯一の正解ではない。

 

MEシャーシにも良さがある。

FM-Aにも良さがある。

VZにも良さがある。

そしてMSフレキにも良さがある。

 

ミニ四駆の面白いところは、

そのどれもが間違いではないことだ。

 

だから今のところ、

私は「最終的にはMSフレキを組まなきゃ」とは思っていない。

 

でも、

「いつか自分なりのMSフレキを作ってみたいな」

とは思った。

 

それだけでも、

このマシンを手に取った価値はあった気がする。

 

MSフレキは、最初から理解できるマシンじゃない。

でも、

「なんだこれ」と思った人ほど、

いつか「なるほど」と思えるマシンなのかもしれない。